こころ
自傷行為の意味と手首のツボ リストカットをやめたいと思ったときのひとつの方法として
Glass Story
自傷
僕は、刃物で自分を傷つけるような、一般的な「自傷行為=リストカット」はしたことがありません。
心療内科にも長年通っていたし、薬漬けの期間もあったのですが、自傷行為だけはしませんでした。そもそもリストカットという選択自体、思い浮かぶこともありませんでした。
しかし、よく考えてみると、リストカットのような直接的な表現ではない形で、自分を傷つけること、「自傷行為」を繰り返していたのだと、後年思い至るようになりました。
そして、それはたぶん僕以外の大勢の人たちも、実際はそうなのではないでしょうか。
自傷行為、リストカットをする意味
自傷行為、リストカットをする意味というものを考えてみると、決してそれは「死にたい」という願望が全面に出た行為ではありません。
僕の友人に、過去に自殺未遂をした経験のある女性がいました。細かいことは書きませんが、ただ、本気で「死にたい」と思った。だから、リストカットについて彼女に言わせると、「その場所を切っても死ねないよ」。
自傷行為(リストカット)が「死にたい」のではなかったら、一体なんのためにするのか。そこに、どんな意味があるのか。
それは、喩えるなら、夢の世界で頬をつねったり、生きている実感のない茫漠とした感覚に刺激を与える、サディスティックな性行為と似ているのかもしれません。
また、反対に、思考がまとまらない興奮を八つ当たりで誤魔化そうとしたり、煙草の煙で肺を満たして思考に煙幕をかけることと似ているのかもしれません。
自傷行為(リストカット)というのは、直接的で生々しいイメージを与えるので、確かに忌避したり家族や友人に与えるショックも大きいでしょう。
しかし、もう少し俯瞰で、この「自傷行為」というものを見れば、溜まったストレスに対処する方法の一つとして、その行為によって「死」が近づくことを知りながら、次々と肺に有害な煙を放り込む喫煙もまた、じゅうぶん「自傷行為」なのではないでしょうか。
あるいは、喫煙以外にも、自分の人生をおろそかにするように複数の異性と肉体関係を結ぶのも、体調が崩れると分かりながら繰り返す過食も、ある種の「自傷行為」と言えるのではないでしょうか。
僕の場合も、この広い意味での「自傷行為」に当てはまるものが幾つかあるのですが、その一つは「書くこと」です。
不安になったり苛立ったり、ばらばらに自分が散っていきそうなとき、束ねる方法が「書くこと」。この「書くこと」が自傷行為だという、その理由を、今一言で簡単に言い表すことはできませんが、それは確かに僕にとって自分を傷つける行為なのです。
自傷行為をやめたいと思ったら
こうして見ると、一般的に多いと言われる10代の若い女性だけでなく、様々な場所で「自傷行為」が溢れかえっていることが分かるのではないでしょうか。
それゆえ、決してその行為だけを〈絶対悪〉だと決めつけて否定するつもりはありません。
ただ、その傷跡は、目に見える形として生涯残り続けるかもしれません。
また、たとえ自分が気にならなかったとしても、家族や、未来の恋人が見たときに、ショックや深い悲しみを与えることになるかもしれません。
だから、もしあなたが「自傷行為」をほんの少しでもやめたいと思っているのであれば、その誘惑に駆られた際に、代替的な方法として、僕は、少々地味かもしれませんが、ツボ指圧をおすすめしたいと思います。
別に冗談で言っているのではありません。ツボ指圧もまた、ある種、自分を痛める行為です。
しかし、この分かれ道の差は、日々の積み重ねとともに大きなものになっていくことでしょう。
手首にあるツボ
偶然の一致なのか、体の導きなのか、しばしば自傷行為で傷つける代表的な箇所である手首には、「内関」や「神門」と呼ばれる、イライラや不安感に効くツボがあります。
画像 : 私を救う! 困ったときの10のツボ
このツボを、精神的に不安定になったり自分を傷つけたい衝動に駆られそうになったとき(もちろん可能であれば習慣的に)、目を閉じて、ゆっくりと深呼吸をしながら、ぎゅうぎゅうと押してみて下さい。
また、お灸を使うというのもおすすめの方法です。
大抵のドラッグストアにお灸が置いてあります。熱さの度合いが5段階に分けられるので、気持ちいいと感じる刺激の熱量を試しながら選んでみて下さい。
自傷行為と感受性
自傷行為というのは、溢れ出した涙と一緒で、「絶対にするな」と禁じられたとしても、溢れ出るものは仕方がありません。
だから、ちょっとずつでも、まずは違ったはけ口に移し替えていくことが重要です。
女性の場合は、生理の周期によっていっそう不安定になることも多く、月経前症候群という病名もあります。ぜひ、食事なども、心が上向きなときに少しずつ見直していってみて下さい。
生理の10日前位に、なんか知らないけれど気分が乗らない。いつもなら出かけたり、飲みの誘いにもフットワークいい方なのに、その期間だけは行きたくなくて断ってみたり、部屋にいるときも、別に何もないのに悲しくむなしく落ち込んでみたり。でも、この期間が過ぎるとまたいつもの自分に戻ってしまうんですよね。
出典 : わたしがベジタリアンになった理由
若い頃から自傷行為(リストカット)を繰り返さなければ ‘ 耐えられない ’ あなたは、人一倍感受性が豊かであり、そして苦しみのことを深く知っているのだと僕は思います。
ただ、願わくば、その感受性に振り回されるのではなく、包み込むように手なずけてほしい。
そして、いつの日か、誰かの傷みを感じとり、自分ごと、その誰かを包み込むことのできる、素敵な大人になっていってほしいと、切に願います。


